「国産輸送機つくるけど外国機を採用します」なぜ? 韓国の決定に国家のしたたかさを見た!

韓国はこのたび、ブラジル製のC-390「ミレニアム」を次世代輸送機として採用することに決めました。しかし韓国は独自に国産輸送機の開発も進めていたはず。大きさも性能もよく似ているのに、なぜ外国機を導入することにしたのでしょうか。

コスト上昇をいかに抑えるべきか

 軍用機の自主開発というと、期待する声が多いのも事実ですが、一方でそれに伴う高額な開発費は強い反対意見も生み出します。MC-Xで現在想定されている開発費は3兆ウォン(約3400億円)になるそうですが、この金額なら韓国空軍が現在運用している20機程度の輸送機を新品に買い換えることも可能です。

 また、開発が成功しても、その導入が韓国空軍のみだった場合、生産数は少数となり製造コストや運用コストの上昇は避けられません。日本でも川崎重工業が生産しているC-2輸送機は、20機程度の少数生産のために、最新の1機あたりの製造コストは約230億円と高額なものになってしまいました。

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航空自衛隊のC-2輸送機。1機あたりの製造コストは約230億円と高額(画像:航空自衛隊)。

 MC-Xは現時点ではKAIの社内プロジェクトに留まっている段階であり、正式に実機が造られ採用されるかは現時点で不明です。だとすると、なおさらそのような不確定な開発計画で、これだけの派生型の開発や輸出需要を発表することについて、疑問視する意見があってもおかしくありません。

 近年の防衛装備品の開発における高コストの傾向は大きな問題となっており、コストパフォーマンスの良さや計画の発展・拡充性はそのプロジェクト進行の可否を決めるうえで、装備品自体の性能と並んで重要な要素だともいえるでしょう。

 今回決定された、韓国空軍のC-390導入については、LTA(Large Transport Aircraft:大型輸送機)IIプログラムと呼ばれる海外製航空機を入札で選ぶものであり、その導入機数も予算規模から数機程度だと言われています。そのため、韓国空軍の中核的な輸送機であるC-130の機体更新とはまったく別の計画であり、MC-Xとは直接的には関係ないようにも思えます。

 しかし、C-390を生産するエンブラエル社にとっては、少数でも導入することで、韓国軍や同国の防衛産業との接点ができることになります。これは筆者の推測ですが、今後はMC-Xの開発計画が進んだ場合、そこに何らかの形でエンブラエルが関わる可能性もあるのでは、と睨んでいます。

【並べると一目瞭然!】韓国空軍の輸送機3種類とMC-X、日本製C-2のサイズ比較

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