ドイツ製より「韓国製」装甲車 豪州が3500億円の大型契約 重くて遅い“キャタピラ式”なぜいま必要?

AS21の“実力” 武装も防御もモリモリだ!

 AS21は韓国陸軍が運用しているK21歩兵戦闘車をベースに、装甲防御力の強化や、新設計の2人用砲塔「T2000」の搭載といった改良を加えて開発されています。

 戦闘重量は42tで、乗員は3名+下車歩兵8名の計11名。最大速度は65km/h、航続距離は520kmと発表されています。戦闘重量はK21(25t)に比べてかなり大型になっている反面、下車歩兵の収容人数はK21の9名から8名に減少していることなどから、K21に比べて装甲防御力が大幅に強化されているものと考えられます。

 武装は30mm機関砲1門と、7.62mm機銃1挺、76mm発煙弾発射装置で、オプションとしてアメリカ製の「ジャベリン」ならば1基、イスラエル製の「Spike-LR」ならば2基の対戦車ミサイルランチャーや、車内から操作できる12.7mm機銃を搭載できます。

 また、レーダーと光学センサーで自車を攻撃してくる対戦車ミサイルなどを探知し、飛翔体を発射して迎撃する、イスラエルのエルビット・システムズ製のアクティブ防護システム「アイアンフィスト」と、乗員が車内からヘルメットのバイザーを通して、車外の360度全周を監視できる状況把握装置「アイアンビジョン」の装備が予定されています。

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AS-21の原型となった韓国のK-21歩兵戦闘車(竹内 修撮影)。

 筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は2019年10月、韓国の城南市にあるソウル空港で開催された防衛装備展示会「ADEX2019」で初めてAS21の実車を目にしていますが、その後2022年6月にフランスのパリで開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ」で展示された車体は、砲塔の形状などが異なっていました。

 ハンファ・ディフェンスやオーストラリア国防省が公開した評価試験中の画像のAS21は、「ユーロサトリ2022」で展示された車体に近いという印象を受けました。

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コメント

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1件のコメント

  1. 安心と信頼のドイツ製より変に盛って値段も安くない韓国の提案を選ぶなんて、豪州は潜水艇といいこれといい兵器の調達で迷走してるなぁ…
    自国生産にこだわりすぎている気がする