“スマートな攻撃”アピールまで 活発なイスラエル空軍/全く飛ばないロシア空軍 なぜこうも対照的なのか

片や「スマートな21世紀型」 一方は「従来の20世紀型」

 しかし、イスラエル空軍はそういう問題に悩まされていないようです。ハマスにも「空軍」と呼称する組織は存在するようですが、近代的な防空システムや防空網といえるような装備はなく、またイスラエルの発表によると、ハマスの空軍司令官ら幹部たちは既に航空攻撃によって死亡したとのこと。このような状況から、イスラエル空軍の活動はほぼ無制限に近い状態であり、F-16やF-15などの戦闘機を使ってガザ地区の上空を自由に飛び回り、任意の目標を攻撃しています。

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胴体下部に極超音速空対地ミサイル「キンジャール」を吊り下げたロシア空軍のMiG-31戦闘機(画像:ロシア国防省)。

 また、イスラエルの公式発表は「スマートで21世紀的なイスラエル空軍」を強くアピールしていることも大きな特徴です。

 たとえば、誘導爆弾を使用したピンポイント攻撃の映像が多く公開されている点などは、受けた被害に対して過剰すぎるとも非難される反撃作戦において、実態はさておき、市民への攻撃を控えているというイスラエル側の「正当性」や「クリーンさ」をアピールするプロパガンダだといえます。

 一方、ロシアに目を転じると、同軍はいうなれば「20世紀的な空軍」であり、あいかわらず無誘導爆弾を満載し絨毯(じゅうたん)爆撃を行う映像を平気で公開するなど、両者を比べると大きな違いがあります。

 なお、イスラエル空軍は建物のみならず、さらにピンポイントに特定の個人を狙った航空攻撃さえ可能です。たとえばイスラエルの諜報機関が集めた情報をもとに、即座に評価・意思決定が行われ、次いでどのような攻撃手段が最適であるか選定されます。

【なぜ温存?】ロシア空軍の20世紀型装備/飛びまくるイスラエル空軍(写真)

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