鉄道の座席「最高の座り心地」はどれ? 新幹線、豪華特急…30年選手も負けてない!
30年前の車両も負けてない!?
■JR九州 787系「デラックスグリーン」
2002(平成14)年のリニューアル時に導入された、3席のみの最上級クラスです。すでに紹介したどの座席よりも大きなリクライニング角度(144度)を実現しており、フルリクライニングさせると「寝られ」ます。
車端部にあり通り抜けの必要がないこともあって、座席幅が非常に広く取られています。車体幅が広い新幹線「グランクラス」と比較しても遜色がありません。「デラックスグリーン」のみが区切られているため、個室感さえあります。設備面でも大きなテーブルやコンセント、読書灯、ハンガーなどを備えており、令和の最新特急車両に劣りません。
ただ台車上に位置するため乗り心地はあまり良くなく、走行音も大き目。座席に枕があれば、なお良いでしょうか。
■近畿日本鉄道 50000系「しまかぜ」プレミアムシート
2012(平成24)年に登場した、近畿日本鉄道が誇る豪華観光特急です。1+2列の回転式リクライニングシートは「プレミアムシート」と呼ばれ、革張りとなっています。
シートピッチ1250mmは、後発の「ひのとり」プレミアムシートの1300mmよりもやや狭いですが、座席全体のクッション性、特に枕の柔らかさから、筆者はやや「しまかぜ」の方が上だと感じます。
なお、和風個室の内装が変更された第3編成のみ、リクライニングシートの座面クッションが増えているため座り心地がさらに良く、2023年時点で「私鉄特急最高の座席」だと思います。
「しまかぜ」にはプレミアムシート以外に洋風個室、和風個室、グループ席がありますが、座席の座り心地はプレミアムシートの方が快適と感じます。
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以上、筆者が最高だと思う座席を紹介しました。昔語りをすれば、寝台特急「あさかぜ」「あかつき」などに連結されていたA個室寝台「シングルデラックス」のギャッジ式ベッドが、一部が斜めにせり上がり寝ながら景色を見られたので、「座席」(寝台ですが)としては最高だったと思います。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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