鶴見線名物「超レトロ駅」に令和の最新電車がやって来た! 乗って初めて“判明したこと”も
JR鶴見線の国道駅は、特に高架下に戦前の風景が残る駅として有名です。アーチ形の天井や板張りの壁、戦時中の弾痕など、歴史の生き証人ともいえる場所に、令和の新型電車がやって来るようになりました。
戦前の雰囲気漂う駅に最新の電車が
京浜工業地帯を行くJR鶴見線で、2023年12月24日から新型のE131系電車が運行を開始しました。
E131系は、房総地区や宇都宮駅以北の宇都宮線など東京近郊のローカル線区用として登場し、ワンマン運転に対応します。鶴見線用は「1000番台」に区分され、車体側面が下端から上端まで垂直である点が大きな特徴です。車内には、運行情報などを表示する大型ディスプレイや車いすスペースも設置され、装いは現代の車両そのものです。
そんな令和の最新電車が、昭和戦前期の雰囲気を色濃く残す“名物駅”にも顔を見せるようになり、そのギャップがSNSでも話題になりました。鶴見駅のひとつ先、国道駅(横浜市鶴見区)のことです。
国道駅は鶴見線の前身、私鉄の鶴見臨港鉄道の駅として1930(昭和5)年10月に開業。駅舎は現在に至るまでほとんど変化なく、特にコンクリートで形づくられた高架下の重厚なアーチ構造は、レトロそのものです。ほかにも外壁には、太平洋戦争末期に敵戦闘機から掃射された機銃弾痕が残るなど、令和とは思えない佇まいを見せています。
E131系と駅の年の差は90年以上です。2024年初めの平日に現地を訪れると、当日はE131系が1本しか稼働していないこともあってか、車両の写真を収める人や、物珍しそうに駅に見入る人の姿がありました。
なお鶴見線では、E131系の導入に伴い初めて車内自動放送も導入されました。これによると国道駅の発音は、道路を指す一般的な語としての「国道」ではなく、2音目の「く」にアクセントがありました。
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