消えゆく「2つの珍景」も…!? 工事真っ盛り「南海本線 堺・高石 高架化」どこまで進んだ?

工事の今は

 ところで、堺市側で高架化される諏訪ノ森・浜寺公園の両駅とも、ちょっと変わった特徴を持っていました。高架化でそれが「普通の駅」になってしまいます。

 まず諏訪ノ森駅ですが、上下線のホームが踏切を挟んで、互いに反対側の位置にあります。一見すると、片方にしかホームが無いように見える不思議な駅です。奥羽本線の上飯島駅や、名鉄名古屋本線の島氏永駅、えちごトキめき鉄道の筒石駅など数えるほどしかありません。諏訪ノ森駅の場合、1966年までは普通に向かい合った形でしたが、ホームを拡幅する際にスペースが確保できず、しかたなく互い違いにしたといいます。

 その不思議なホーム配置も、高架化工事に伴って、まもなく見納めになりそうです。高架を建造するため、線路をいったん西側へ移設していきますが、なんば方面のホームは同じ位置で後にバック済み。いっぽうの和歌山方面のホームは、そろそろ工事用地のために明け渡さなければなりません。なんば方面と同じ位置に仮ホームが既に用意されていて、まもなく切り替えられる手はずとなっています。その時点で「千鳥配置」の歴史は終わります。

 浜寺公園駅は待避線があって、各駅停車が優等列車の通過待ちをする構造でした。しかし、なんば方面は特殊な形をしており、本線ホームの端部が奥にへこんで、そこで線路が分岐して待避線のりばとなっているのです。似たような構造は京急蒲田駅などくらいしかなく、レアな風景です。

 こちらは残念ながら、2022年5月に諏訪ノ森駅と同じく、なんば方面ホームは背中側の仮ホームへ移設。旧ホームは消滅してしまいました。ごく普通に「島式ホーム」形状で本線と待避線を持っていた和歌山方面のホームも、新ホームへまもなく移設されます。

【了】

【画像】えっ…!これが消滅寸前の南海「ズレまくったホーム」です

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