ロシア一気に劣勢へ?「早期警戒管制機」撃墜の深刻な影響 “史上初”の大失態

間もなく実戦投入か? ウクライナのF-16

 また、監視だけでなく、攻撃能力も低下します。ロシア空軍は最大射程400kmの高性能地対空ミサイルS-400を保有しており、ウクライナの空の大半を攻撃範囲に収めています。

 しかし、S-400は自前の射撃用レーダーでは、前述した地球の丸みに関する問題から低空を飛ぶ航空機を照準することができず、ミサイルの最大性能を発揮するためにはA-50のレーダー支援が必須です。よってA-50を後方に下げたら、その分S-400がカバーできる範囲も減ると考えられます。

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ロシア空軍の大型戦闘機MiG-31(画像:ロシア国防省)。

 2024年春にはウクライナ空軍へF-16「ファイティングファルコン」戦闘機の配備が始まりますが、A-50の後退はF-16の性能を発揮する上で有利になります。F-16は空戦能力だけでなく、対地攻撃や地対空ミサイルの破壊能力にも優れているので、もしF-16による作戦が自由に行えるようになった場合、地上戦へ影響を与えることも十分に考えられるでしょう。

 また、低空を飛翔し接近する巡航ミサイルはこれまでにおいてもロシア海軍司令部や潜水艦を撃破するなど戦果を上げていますが、ロシア側はその迎撃も一層困難となる可能性も考えられます。

 ロシア側はS-400とA-50の組み合わせでF-16を封殺するつもりだったようですが、A-50を前進させると再び撃墜されるリスクを負うことになります。ちなみに、F-16は射程100km以上あるAIM-120D「アムラーム」空対空ミサイルを使用可能で、これもA-50にとって脅威となります。

 いずれにせよロシア空軍はまもなく控えるF-16の実戦投入にそなえ、何らかの手段を用意しなくてはならないでしょう。たとえばA-50の代わりにMiG-31やSu-35といった大型戦闘機にレーダー監視をさせるという方法などが考えられます。

【了】

【A-50とどこが違う?】これがロシア最新の早期警戒管制機A-100です(写真)

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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1件のコメント

  1. C国から、デッドコピーの空警2000をウエットリースで借りてくればいいんじゃね?