クルマの「後輪が隠れるカバー」何のため? 昔から流行り廃り そこに意味はあったのか

実はメリットがあまりないという意見も…

 しかしGMは、1989年にキャデラック・フリーウッドで再びフェンダー・スカートを採用したほか、1996年から1999年まで販売されたGM最初の量産型EVであるEV1にも採用しました。

 前述したホンダ「インサイト」も、トヨタ「プリウス」に続くハイブリッドカーで未来感にあふれたデザインでしたが、フェンダー・スカートは、いつの時代でも先進的な姿をイメージさせるのか、未来を意識したクルマに採用される傾向があります。フランスのシトロエンも、そうした先進性のアイコンとしての側面もあり、フェンダー・スカートを長く採用し続けたメーカーです。

 ただ、問題がないわけでもないようです。2003年から2016年までGMのグローバルデザインの担当兼副社長だったエド・ウェルバーン氏は、かつて自動車メディアの取材を受け、フェンダー・スカートの欠点について語ったことがあります。

 ウェルバーン氏によると、フェンダー・スカートはクルマをスマートに見せる効果がある反面、タイヤ交換などで取り外しするものであるため適切な位置に固定するのが難しく、コストもかかる、さらに内部へタイヤを収めるためボディが広がったり、あるいは幅の狭いタイヤを採用する必要があったりすることを指摘します。

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1950年代に誕生したシトロエン「DS」(画像:シトロエン)。

 空力の面でも効果があると思われていたフェンダー・スカートですが、時代が進むにつれ、実はそこまでメリットがある装備ではないことが明らかとなっていったようです。ウェルバーン氏は「市販車のスカートは役に立たない」と断言していました。

【了】

【あ、確かにリアホイールが…】これが、90年代にGMが最初に量産を行ったEVです(写真)

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Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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