東京から最も近い「全駅ICカード非対応」 どっこい頑張る108年目の「流鉄」 ルーツは町民鉄道

利便性の高いローカル線

 平和台駅を出ると1分で終点の流山駅に到着しました。駅構内には車両基地もあり、5000形「さくら」「なの花」号が休んでいました。駅ホームには流鉄カラーの自販機やキャラクターパネルも置かれています。駅舎は趣きのある建物で、改築はされているものの、一部は開業時からのものです。

 市街地にも、登録有形文化財の呉服新川屋店舗や、寺田園旧店舗といった古い建物が多く、街並みの雰囲気にもマッチした駅舎です。

 おおむね15~20分ごとに運転されている利便性の高さもあり、利用客はかなり多く、折り返しの列車にはすぐに乗客が乗りこんでいきました。筆者は「若葉」号に乗車し、馬橋駅まで通しで向かいます。

 多くの乗客が下車したのは幸谷駅。ここから馬橋駅までも、新坂川に並行しながら進みます。新坂川さくら通りという道路も並行しており、春には美しい風景が見られるでしょう。

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馬橋駅(2024年1月、安藤昌季撮影)。

 終点の馬橋駅には、古風な駅名標や待合室がありました。ちなみにJR常磐線と並走する馬橋~幸谷(新松戸)間の運賃は、JRが150円、流鉄が130円。流鉄の方が安いですが、所要時間はJRの方が1分少ないです。

 流鉄は全線を通して「のんびり走る、癒しの路線」だと感じました。「都心から一番近いローカル線」、気軽に気分転換に来られそうです。

【了】

※誤字を修正しました(2月6日11時)。

「都心に最も近い」の根拠(写真)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

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1件のコメント

  1. P3, 2カ所.
    正) 坂川
    誤) 板川