アクアライン、また混んできてる? 渋滞減らした日本初の“時間帯値上げ”→「効果が減少傾向」 一体なぜなのか
東京湾アクアラインの渋滞対策として導入されている土休日の「時間帯別変動料金」、その渋滞緩和効果が、やや薄れて来ているようです。多くの人が慣れてきてしまったのでしょうか。
最初はヨカッタが…10月以降、長い渋滞も増加?
千葉県の熊谷俊人知事が2024年1月24日、「時間変動料金の社会実験中のアクアラインの交通状況等について」、当初と比べると「効果が減少傾向と見られます」と、自身のX(旧Twitter)にて発信しました。休日午後を中心に、川崎・東京方面へ帰る人が増える東京湾アクアラインの上り線、また混んできているのでしょうか。
東京湾アクアラインでは2023年7月22日から、土休日の上り線(木更津→川崎方面)のみ、ETC全車種を対象として時間帯によって通行料金を変動させる「ETC時間帯別料金」の社会実験が行われています。平日は全日・全時間帯で普通車800円ですが、土休日13~20時は1200円に値上げ、逆に20~24時は600円に割引されます。
割引施策以外で、時間帯による料金変動で渋滞緩和を図る取り組みが定期的に行われるのは、2021年に行われた東京オリンピック・パラリンピック期間中の首都高を除けば、日本で初めての取り組みです。最も混雑する時間帯に料金を値上げして、空いている時間帯に交通を分散させることで渋滞の緩和を図る狙いがあります。
実験開始から1か月後には、期待通りの効果が発揮されていました。
前年同期と比べて平均交通量は増加したにもかかわらず、木更津JCTから川崎浮島JCTまでの通過所要時間は「最大56分から最大38分に減少」、さらに「渋滞による損失時間は“半減”」したと発表されていました。
しかし、それから5か月ほど経過した2024年1月15日に県が開催した検討会では、「社会実験開始直後(1か月後)と比べると、交通量の分散の度合いが小さくなってきており、アクアライン上り線の最大通過所要時間も増加傾向である」と報告されています。
社会実験中の平均最大渋滞長については、実験前と比べて約13%減少、10kmを超える渋滞発生日も減少しているといいます。しかし「令和5(2023)年10月以降は、10kmを超える渋滞が多く発生している」というのです。
また、上り線の渋滞で、アクアライン本線以外における要因の一つが、木更津金田ICから合流するクルマの多さです。周辺には三井アウトレットパーク木更津やコストコホールセール木更津倉庫店といった大規模商業施設があり、土休日の午後は木更津金田IC周辺の一般道交差点も混雑します。
たとえば、コストコから木更津金田IC手前の交差点までは、社会実験前、16時台に900mもの渋滞ができていたのが、実験後の8月12日には20mまで減少していることも報告されていました。しかし、11月25日には、同時間帯に620mの渋滞ができていることが確認されています。
なぜ、実験の効果が薄れてきているのでしょうか。
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