アクアライン、また混んできてる? 渋滞減らした日本初の“時間帯値上げ”→「効果が減少傾向」 一体なぜなのか

原因は「冬だから」かもしれない!?

 千葉県の道路計画課に聞いたところ、実験の効果が薄れてきている理由について詳細はわかっていないとしつつも、「季節変動」が影響しているかもしれない、と話しました。

 実験が始まったのは日の長い夏でした。それから、だんだん日が短くなるにつれて、早めに帰ろうする人が増えたのではないか、というわけです。

 アクアラインの渋滞原因は、13~20時という長時間にわたり、交通量が増えキャパオーバーとなることにあります。その交通を前後時間帯に分散させることに実験の主眼が置かれ、実験開始1か月後は、値上がり時間帯の利用が減少し、料金が安くなる20時台、21時台の交通量が増加しました。

 しかし、12月までのデータでは、その夜間時間帯の利用が減少し、13~20時の値上がり時間帯、特に19時前後の利用が増加している傾向があります。

 千葉県は、この社会実験を2024年度以降も継続し、引き続き検証していく構えです。

Large 240202 aqua 02
上り線の木更津金田本線料金所。木更津金田IC入口からの合流があるため特に混雑する(乗りものニュース編集部撮影)。

 今回の社会実験は、渋滞緩和以外にも様々な効果をもたらしています。たとえば、アクアラインにおける事故件数は実験前から42%減少。一般道でも急減速の発生頻度が減少していることが確認されています。アクアラインを通る高速バスについては、実験開始後、休日の遅延時分が最大で23分も改善し、定時性が向上しているそうです。

 観光面においても、アクアラインで千葉へ訪れた観光客の平均県内滞在時間が20%増加し、空いている夜間に帰ろうとする人が、より県内の広い範囲を周遊するという効果も確認されているそうです。県内の観光関係者からは、「17時以降の利用者が増えた」「営業時間の延長の可能性」といった声も聞かれているといいます。

 渋滞緩和などの効果が減少傾向と発信した熊谷知事も、「少なくとも社会実験の導入で観光面に悪いデータは確認されていない」とし、4月以降の継続に向け調整するとしています。

【了】

【え、高くなるの!?】アクアライン「時間帯値上げ」の額と効果(画像)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。