「ハイエース2駆は雪道に弱い」本当か? 実地を走って理由が判明 予防策は “あえて荷物積む”

前後の車軸に係る重みの差も

 改めて、ハイエース2WDが雪道に弱いということを実感しましたが、その理由はタイヤの荷重バランスが原因だったようです。

 筆者のハイエースは標準ボディ、標準ルーフの「スーパーGL」と呼ばれるモデルで、この2WDでは車両重量が1940kgです。エンジンは車体前方に積まれているのですが、駆動輪は後輪です。

 この場合、空荷だと前輪の車軸に1120kgの荷重が掛かる一方、後輪の車軸には820kgの荷重しか掛かっていません。それでいてFR車なので、タイヤに掛かる荷重が足りなくなって、雪道でタイヤが空転してしまうのです。

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後輪が横に滑ってしまい、前にも後ろにも進まない(武若雅哉撮影)。

 一般的なフロントエンジン・前輪駆動の2WD車(いわゆるFF車)であれば、前軸の上にエンジンなどがあるため、それら重量物が前輪に対して荷重を常にかけてくれます。これにより、空荷状態でもタイヤにエンジンのパワーがしっかり伝わり、同じ2WD車であっても雪に対してしっかりタイヤがグリップして、スタックせずに走ることができます。

 こういった理由から、「ハイエース2WDは雪道に弱い」という定説ができたようです。今回はそれを実証することができました。

 とはいえ、ハイエース2WDは雪道を走れないのかといえばそうではありません。前述したような経緯から、取材帰りには持参していたタイヤチェーンを装着し、ほぼ同じエリアを走りましたが、今度はスタックすることなく安全に行き来することができました。高い荷重が掛かっている前輪は、しっかりとグリップしたため、ハンドルが効かないということもありませんでした。

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