「ハイエース2駆は雪道に弱い」本当か? 実地を走って理由が判明 予防策は “あえて荷物積む”
地元住民が教えてくれた「生活の知恵」とは?
今回の件に関して、地元の方に話を聞いたところ、冬季は使用しないサマータイヤや、スタックした時にも使える砂を積んでおくと言っていました。これは、ハイエースは貨物を搭載して走ることを前提に設計されているクルマなので、あえて200kgから300kgの荷物を積んで、後部を重くしているとのこと。そうすれば、ハイエース2WDでも後輪の空転を防ぐことができるのだそうです。
普段は都市部でハイエース2WDに乗っているものの、もし仕事やレジャーなどで雪山に行く必要が生じた場合は、タイヤチェーンとスノースコップをクルマに積むのはもちろんのこと、わざと後部を重くすることで後輪のグリップ力を高め、雪道でもスタックを防げるようになるということがわかりました。
しかし、いくら入念な準備をしていたとしても、雪道の走行は危険を伴うことは言うまでもありません。
筆者は以前、雪道でも安定して走れると定評の三菱自動車「デリカD:5」にも乗っていたことがあります。このクルマは確かに安定感ありましたが、4WDとはいえちょっとした場所でスリップするといったことも間々あったため、たとえ雪道やオフロードに強いとされるクルマでも決して油断してはいけないと、常に感じていました。
どんなクルマに乗っていても、雪道であれば運転技術や装備を過信することなく、「急」が付く動作を回避し、すぐに止まれるスピードで、前車との車間距離を保ちつつ、通常よりも安全運転を心掛けながら、冬のアクティビティを楽しみましょう。
最後に、スタックした時に助けてくれた自衛官の皆様に、この場をお借りして深く感謝いたします。
【了】
Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)
2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。
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