横断歩道に“車止め1本”なぜ立てられない? 開口部に車が突っ込む事故相次ぐ 「運が悪い」で済むのか

交差点にある車道と歩道の分離柵の多くは、歩行者が車道に飛び出さないための横断防止柵です。横断歩道がある開口部にボラード(車止め)1本でもあれば、車両の進入を防げそうですが、ほとんど検討されないのはなぜでしょうか。

「ボラードは設置できる」掛け声だけで不可能な理由

 国土交通省は道路局長通達で、交通事故防止のため「防護柵の設置基準」を示しています。道路安全対策室は、その設置基準をもとにこう話します。

「横断歩道の開口部に『ボラード』と呼ばれるいわゆる支柱だけの車止めの設置は可能です。各地で活用がなされているのではないでしょうか」

 支柱が1本立っているだけのボラードは視覚的に頼りなさげですが、クルマを使ったテロ行為を防ぐ防護柵のひとつとしても使われ、たった1本で事故時の進入を防ぐことも可能です。

 ただ、道路管理者の視点に、歩道の巻き添え事故を防ぐという視点がないために、ボラードが柵の代用として使われている例もあります。前述の香取神社交差点は、事故現場に対面する交差点角でボラードが使われているのですが、角に1本立っているだけで車両防護柵との連携はありません。

 横断歩道から歩道に車両が突っ込む事故が起きた交差点でも対策がなされないことについて、「それは道路を管理する地方自治体の責任ではなく、信号の設置や通行方法などを管理する警察の責任ではないか」という指摘もあります。

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歩行者巻き添えの交通事故現場で追加の現場検証する警察官(中島みなみ撮影)。

 たしかに道路工事を行う場合、道路を作る側とその区間を担当する警察署が協議することがルールになっているため、事故が起きた場所でも、道路管理者が破損した箇所の修復計画を作り、これについて事故の調書をまとめた警察と協議します。この時、横断歩道にボラードを設置すべきなどの意見がなければ、新たな対策を取ることはできないというのです。しかし実際の協議では、警察は修復計画を追認することが多く、意見を付けることは少ないです。

【突っ込まれるぞ!】車両進入「守られる/守られない」交差点の違い(写真)

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