横断歩道に“車止め1本”なぜ立てられない? 開口部に車が突っ込む事故相次ぐ 「運が悪い」で済むのか

交差点にある車道と歩道の分離柵の多くは、歩行者が車道に飛び出さないための横断防止柵です。横断歩道がある開口部にボラード(車止め)1本でもあれば、車両の進入を防げそうですが、ほとんど検討されないのはなぜでしょうか。

視覚障害者の通行の妨げになる、というのは本当か?

 さらに、道路を管理する担当者はこうも話します。

「横断歩道に障害物を立てるということは、視覚障害者も通るので通行の妨げとなる。基本的には設置しない」

 都道は都議会の指摘で車両防護柵への取り換えが進められているので、事故現場の防護柵設置は進んでいます。ただ、さらに横断歩道への進入を考えて、ボラードを設置するためにはハードルがあると言います。

 改めて渋谷区「代官山交差点」の事故現場を訪れると、路上の点字ブロックの先にあるビルの私有地に立つ照明灯が斜めに傾いています。2月19日の事故以前に起きた事故の痕跡が残っています。視覚障害者も同じように守られるべきではないでしょうか。

 日本視覚障害者団体連合にも聞いてみました。

「通行の妨げになるかどうかの二択でいえば、ないほうがいいとしか言いようがないが、どんな交差点でも一律でいいのかというと、場所によっては設置したほうがいいこともある。試行的に設置して意見を聞いてもらえるといいのではないか」

 国土交通省も「交通管理者の助言を待たなければ設置できないわけではない」と自主的な検討を促しますが、一方で道路管理者は、他の区間と違った対策をとった場合に起きるかもしれない責任追及を恐れ、一歩踏み出すことができません。歩行者保護に踏み出す意思決定の仕組みづくりが急務です。

【了】

【突っ込まれるぞ!】車両進入「守られる/守られない」交差点の違い(写真)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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