JRもついに踏み出した「飛行機みたいなチケットの買い方」は画期的か?中途半端か? “価格変動制”活かさなければ未来はない!

あれ、JRの注意書きがスカイマークに似てる…

 高速バスは、過去の「同月同曜日、同時間帯」の実績を見れば、本年度の各便の需要の量と構成、最も収益を見込める販売価格を算定できます。さらに各便の予約の伸び進み方(ブッキングカーブと呼びます)をチェックすれば、当初の予測に比べ好調か不調かも判断できます。ブッキングカーブに異変があれば最適な価格を算定し直し、価格を変動させることもできます。

 ここでJR北海道の「特急トクだ値」に話を戻すと、「価格は予測乗車率に応じて、設定価格の範囲内で変動」するとあります。しかもご丁寧に「予測乗車率は、お申し込み時点での最終的な混雑具合の予測値であり、日々変動します(お申込み時の空席状況とは異なります)」という旨の注意書きまで入っています。

 従来の「予約時点での乗車率(オンハンドと呼びます)」に応じてだんだんと価格を引き上げていく手法から、「最終的な乗車率の、その時点での予測値(フォーキャストと呼びます)」に基づき、常にずばりと最適と考えられる価格を付ける手法に一歩踏み込んだのです。

 なお、この注意書きの文言は、航空会社のスカイマークが使っている文言に酷似しています。同社も近年、オンハンド・ベースの「段階的値上げ」からフォーキャスト・ベースの変動価格制に手法を変えたとみられ、JR北海道は大いに参考にしたのでしょう。

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特急とかち。新割引では、最大55%引きも設定されている(画像:写真AC)。

 ただしJR北海道の発表は、「販売期間中(乗車1ヶ月前から乗車前日まで)の間、価格が上がることはあるが、下がることはない」とも読み取れます。せっかくフォーキャスト・ベースの価格変動を導入したのに、全体としては高速バス事業者同様に「徐々に値上げする」考え方に縛られている印象も受けます。

 価格を下げるというと「安売りになって安全面が心配」という指摘があるのですが、ここでいう“下げる”は、あくまで、販売期間中の変動のことを指します。1か月前の時点では強気で高価格を付けたけれど、その後のブッキングカーブを見るとどうも予測を間違えたと気づいた、という例です。逆に言えば「間違えていたら後から価格を下げる」という選択肢があるから、思い切って強気の価格を設定できるとも言えます。

【マジで爆安も!】これがJR特急の「新しい割引」です(画像)

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