やっぱ北陸新幹線?「東京―福井」東海道新幹線とドッチがいい? 価格/時間/使い勝手で互角…と思いきや、福井県が神の手を!

北陸新幹線なら寝過ごしにおびえなくてよい

 ここまで所要時間や料金など机上で計算できることばかり気にしてきましたが、東海道回りの場合、米原での「1階新幹線ホーム→2階コンコース→1階在来線ホーム」、敦賀での「1階在来線ホーム→2階コンコース→3階新幹線ホーム」と2度の乗り換えからは逃げられません。

 早朝に東京→福井を移動する場合、北陸新幹線であれば、発車と同時に寝落ちしても「寝過ごしても終点は敦賀だし」と謎の安心感があるのに対して、東海道回りの場合は、「ひかり」で寝過ごしたら新大阪、さらに敦賀からの「つるぎ」で寝過ごしたら金沢または富山と、2度にわたり不安を覚えることになります。

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敦賀駅の2階乗り換えコンコース(2024年2月、乗りものニュース編集部撮影)。

 ただ、乗り換えは目的地以外の土地の空気を吸える寄り道の側面があります。例えば米原なら「井筒屋の駅弁」が購入できるお楽しみが待っています。

 一方の北陸新幹線は、全席コンセント完備なうえに一部の列車を除いて車内販売が健在。車内で「シンカンセンスゴイカタイアイス」が買える楽しさも捨てがたいです。

 また北陸新幹線は、浅間山、それに糸魚川での日本海との出会い、立山連峰などが車窓の見どころですが、景色の見えない区間も多めです。対して、東海道回りは、安定の富士山、浜名湖、伊吹山、さらに米原~敦賀間の「しらさぎ」からは琵琶湖、余呉湖などが見られます。

忘れてはならない、ぐるり「一筆書き」

 結局、福井~東京間について北陸新幹線を使うのも、東海道回りも、ともに魅力があるように感じてきました。ならば登場するのは、両方楽しめる一筆書きルートです。乗車券を「東京~北陸新幹線~福井~北陸新幹線~北陸本線~東海道新幹線~東京」のようにぐるりと一周する経路で買います。

 2015年の北陸新幹線金沢開業以降、単純に往復するよりも安いことから、このルートを使う人も多いのではないでしょうか。安心してください! 紙のきっぷの場合は、変わらず一筆書きルートが最安値の2万8470円(運賃1万3200円、特急料金1万5270円。福井で下車)です。

※3月21日15時半、一部修正しました。

【了】

【まとめ】「北陸vs.東海道」値段やダイヤを比較!

Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)

1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。

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コメント

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2件のコメント

  1. 金沢〜東京に『つるぎ』は無いでしょ。校正しっかりしてください。

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。