日本初のミニ新幹線「400系」山形新幹線2代目「E3系」ナニが画期的? 一時は “日本最速” にも

一時は国内最速記録を更新

 また、フル規格の新幹線は大型の新幹線車両にあわせて駅のホームなどが設置されているため、小型車体の400系が東北新幹線の駅に停車すると、車体とホームのあいだに30cmほどの大きな穴(隙間)ができます。これでは危険なので、ドア部分の足元にステップを設置。走行時は車体に沿うようにして収納されますが、駅に停車するときは飛び出て、ドアとホームのあいだの隙間をふさぎます。

 しかも、400系は福島駅で連結・切り離しに対応できるよう、車両の先頭部には非常用の連結器を収納し、お椀のような形のカバーを付けていました。

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山形新幹線のE3系。踏切があるのも山形新幹線の特徴(画像:写真AC)。

 なお、営業運転での最高速度は新幹線区間が240km/h、在来線区間が130km/hでしたが、山形新幹線の開業に先立つ1991(平成3)年に行われた上越新幹線を使っての走行試験では、最高速度345.8km/hを記録。リニアを除く日本の鉄道の速度記録として当時最速を出しています。

 400系は1995(平成7)年までに84両が製造され、1999(平成11)年には奥羽本線の山形~新庄間も山形新幹線の延伸区間として整備され、400系の運転範囲が拡大しました。車体の塗装もこのころリニューアルされています。しかし、延伸時に新型のE3系電車が山形新幹線に導入されたことで400系は順次姿を消し、2010(平成22)年に完全引退しています。

 こうして、1999(平成11)年以降、山形新幹線の2代目としてE3系が走るようになりました。

 ただ、E3系は元々、東北新幹線から秋田新幹線に直通する列車「こまち」用として開発された車両です。いまは山形新幹線でしか見られませんが、2020年までは秋田新幹線でも使われていたため、東北新幹線のほぼ全線でその姿を見ることができました。

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