日本初のミニ新幹線「400系」山形新幹線2代目「E3系」ナニが画期的? 一時は “日本最速” にも

ライト形状で2種類あるE3系

 E3系の特徴は、車体をアルミ合金製とすることで軽量化を図るとともに、モーター出力を向上させて、最高速度は設計上が315km/h、営業運転での最高速度は400系より35km/h速い275km/hになった点でしょう。

 実はこれ、同じ時期に開発されたE2系と同じで、モーターを制御する装置などもE2系と共通です。そのため、400系の後継車両というより、E2系をミニ新幹線向けにアレンジした車両だと形容できるかもしれません。

 車内にはコンセントや防犯カメラが設置されたほか、普通車の自由席と指定席の座席間隔も統一が図られました。

 外観形状も、400系が丸みを帯びたデザインだったのに対し、E3系はエッジの効いたシャープなものになっています。先頭形状も曲面よりも平面が多用されたシルエットに改められています。

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山形新幹線のE3系2000番台。前掲のE3系1000番台とはヘッドライトの形状が異なる(画像:写真AC)。

 なお、当初導入されたE3系1000番台は、ヘッドライトの形状が秋田新幹線用の0番台と同じ形状をしていましたが、400系の更新用として増備された2000番台では、いわゆる「ツリ目」に改められたほか、運転席の窓周りの塗装も変わっています。

 また2000番台は自由席(16・17号車)のシートピッチを拡大したことで、編成全体の定員が0番台および1000番台と比べて8名減っています。

 またE3系におけるもう1つの大きな特徴に挙げられるのが、大幅なカラーリングの変更でしょう。車体の塗装は、400系の運行開始以来、長らくシルバーとグレーの2色に緑の帯というものでしたが、2014年以降、白と紫の2色に黄から赤へのグラデーションを加えた塗装に変わり、2016年には全車がこの外観に一新されています。

 この白と紫を基本とした塗装は、3月16日から走り始めた新型E8系にも踏襲されています。

 新たに導入されたE8系は、東北新幹線内での最高速度が300km/hにアップすることで東京~山形・新庄間の所要時間が4分短くなるとのこと。今後の運行ダイヤを作るうえでE3系の速度の遅さはネックになり得るため、数年で山形新幹線からもE3系が姿を消すと考えられます。

 昔ながらのショートノーズのミニ新幹線、E3系を見ることができるのもそれほど長くなさそうです。

【了】

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