なんで戦車に「のれん」がついてるの? T-80戦車の車体正面にあるゴム製エプロンの秘密とは
空気の流れをかえ砂じんを地面に分散する
この問題を解決すべく、T-80の量産開始からしばらくたつと搭載されるようになったのが、このラバーエプロンです。縮小模型で風洞実験をしたところ、空気取り入れ口のある車体後部のすぐ上に低気圧な場所ができ、粉じんを吸い込みやすくなっていたことが発覚。巻きあがった粉じんが車体下部を通って、給気口に入ってしまうことを防ぐため、空気の流れを阻害する目的で装備されました。
この装備は特に、前方に車両がいるとき効果を発揮します。先行した1両が通過して巻き上がった砂じんに2両目が突っ込む際、エンジンルームの屋根部分の粉じんを約50%削減したそうです。
とはいえ、こうした装備で対策しても、ガスタービンエンジンはディーゼルエンジンよりメンテナンス頻度が多くなるのは変わりありません。そのため、製造価格の維持費も高くなりがちということから「信頼あるT-72へ、T-80に匹敵する攻撃力を付与すべき」という現場からの要望により、続くT-90では、動力がディーゼルエンジンに戻ったのです。
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Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
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