「これ飛ぶの!?」まさかの“世界最高速”! ほとんどオモチャなずんぐりボディ “伝説だけ”残した飛行機とは

時は1932年、アメリカでも有数のエアレース「トンプソン・トロフィ」で、当時の陸上機世界最速を出した、ジービー モデルR1。通称「シービーレーサー」が優勝します。同機はオモチャのようなずんぐりしたフォルムが特徴です。

機体が現存していない理由とは?

 しかし、2024年現在、このジービーレーサーのオリジナル機は存在しません。復元されたレプリカ機が現存するのみです。なぜかというと、そのほとんどが事故で失われてしまったからなのです。

 世界速度記録を樹立した際のパイロット、ドーリットルは、その操縦性について「指先に鉛筆を立てるような難しさ」だと語っています。確かに丸く特徴的な胴体や、役に立つのかわからない小さな尾翼など、素人目に見ても安定性が高いようには見えませんが、実際にも操縦は非常に難しかったようで、オーバーランや墜落事故を起こし、死者も出ています。

 あまりの操縦の難しさから事故を起こした機体のパーツを集めて作られたモデルR3は、多少胴体を延伸し、安定感を増すように製作されましたが、その機体も飛行中に墜落しました。

 オリジナル機はほとんど失われてしまったジービーレーサーですが、1990年から2000年代の初めにいくつかのレプリカが製造されています。なかでも、モデルR2のレプリカは1991年に初飛行し、多くの航空ショーでスタントパイロットにより曲技飛行が披露されたといいます。この機体は、事故を起こすこともなく2004年に引退、現在はアメリカ、フロリダ州オーランドで展示されています。

【了】

【同じくらい“おもちゃ”】ずんぐりむっくりなジェット戦闘機XF-85(写真)

Writer:

なぎはまな。歴史は古代から近現代まで広く深く。2019年現在はフリー編集者として、某雑誌の軍事部門で編集・ライティングの日々。趣味は自衛隊の基地・駐屯地めぐりとアナログゲーム。

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