危険な「第4種踏切」なぜ無くならない? 事故が起きてから重い腰を上げる行政
子どもの死亡事故を受け、警報機も遮断機もない第4種踏切を廃止しようという機運が高まっています。とはいえ、なぜ危険な踏切が相当数残されてきたのでしょうか。解消には事業者だけでなく、沿線自治体の姿勢も重要になってきます。
設備にはメンテナンスコストが発生する
2024年4月6日、群馬県高崎市を走る上信電鉄の踏切で、9歳の女の子が列車にはねられて死亡する事故が発生しました。事故が起きた踏切は第4種踏切と呼ばれるタイプで、第4種とは警報器と遮断機がない踏切のことを指します。この踏切は、列車の運行本数や交差する道路の通行量が少ない、とりわけ地方私鉄やローカル線で多く見ることができます。
警報器も遮断機もないので、以前から鉄道事業者や自治体から事故が起きやすい踏切と認識されていました。しかしそれにも関わらず第4種踏切が多く残っていたのは、整備・管理費用が大きな理由です。
踏切の整備には、警報器や遮断機などフルスペックの第1種踏切だと1か所につき2000万円前後の費用が発生します。加えて、その後はメンテナンスコストもかかるのです。
香川県を走る高松琴平電気鉄道(ことでん)では近年、踏切の不作動が頻発しました。事態を深刻に受け止めた四国運輸局は、2023年6月に業務改善命令を出しましたが、その矢先となる8月に再び踏切の不作動が発生しています。
原因のひとつには、耐用年数を過ぎた踏切を使い続けてきたことが挙げられます。耐用年数はメーカーが設定していますが、問題となったことでんの踏切は10~15年でした。ところが、ことでんは40年使い続けていたのです。メーカーと鉄道会社のあいだには、大きな開きがありました。
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