“走る”スーツケース/ベンチ/バッテリー/ディスプレイetc…原付! 異形の電動バイク どう使う? 生みの親はナルホドな人
3Dプリンター使ってもヨシ!
「タタメルバイク」のサイドパネル(縦350mm×横570mm)は簡単に取り外せるため、気軽に別のデザインへと模様替えして楽しむことができます。これまでに作られたカスタマイズパネルの中には、素材やカラーデザインの変更だけでなく、LEDディスプレイ(デジタルサイネージ)を内蔵したものまであります。ある程度厚みがあるので、折りたたみデスクを内蔵するアイデアも可能になります。
ICOMAでは3Dプリンターで作られたパーツの出力データをユーザーに提供しているため、ユーザーが適応する3Dプリンターを使える環境にあれば、破損したパーツを自分で作ることも可能とのこと。生駒さんは「おもちゃ感覚で、色々な楽しみ方をしてほしい」と語っていました。
肝心の走行性能を実際に体験してみると、電動モーターなので出足もトルクフルでストレスなく乗ることができました。しかも、この出力制御も数段階に調節できるので、自分好みの乗り味を設定することができます。
なお、テスト走行にはMotoGPと併催させる電動バイクレースの最高峰「MotoE」にフル参戦している大久保 光選手も参加しており、ライダー目線からの技術的アドバイスをしています。
バッテリー(定格容量12Ah)は、安全性が高く充放電性能に優れたリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用し、フル充電までは家庭用のコンセントで約3時間。航続距離は約30kmと、近所へのチョイ乗り需要を想定しています。また、USBによる給電機能もあるため、走行しない時はポータブル電源として活用することもできるのだとか。
折りたたみ式の電動バイクはいくつか発表されていますが、開発元がいわゆる「バイク屋」ではないからこそ、「タタメルバイク」は楽しみ方をいくつも提案できるガジェット(電子機器)としての面白さも秘めていると感じました。
単なる乗りもの、二輪車ではない「タタメルバイク」。ユーザーのアイデア次第で、楽しみ方は無限に広がりそうです。
【了】
Writer: 咲村珠樹(ライター・カメラマン)
ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。
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