サンライズ最多の個室寝台「シングル」 実は3種類ある!? 測って比較その違い

酔いやすい人は階下室がオススメ

 最後に階下室を紹介します。設備は平屋室、階上室と同じですので、こちらも異なる部分だけ見ていきます。

 テーブルの横幅は86cmです。平屋室が95cm、階上室が96.5cmなので、それだけ個室幅が狭いということになります。天井部分の幅は広いので、そこまで圧迫感はありません。

 寝台横の荷物置き場も、平屋室の24cm、階上室の25.5cm対して14cm。大きな荷物を持ち込む時、この差はかなり大きくなります。

 壁にもたれかかりつつ景色を眺めやすいオススメの階下室の個室は、高松・出雲市行が1号車9・10番、2・9号車4・5・6・7・8・9・10番、6・13号車8・9・10番、7・14号車23・24・25・26・27・28・29番、6・13号車28・29番、7・14号車4・5・6・7・8・9・10番です。東京行きは一桁番号で始まる、上記以外の番号です。騒音と振動は以下の通り(階下室〈14号車9番〉)。

・平均騒音:53.7dB
・最大振動:震度2.9
・平均振動:震度0.9

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「シングル」の階下室(安藤昌季撮影)。

 最後に、それぞれの個室のメリットとデメリットについて触れます。平屋室は天井が高いものの、台車の上か車端部、もしくは電動車に位置するので騒音と振動が大きく、個人的にはオススメできません。

 階下室は周期の大きな揺れが少ないので、乗りもの酔いする人にはオススメです。ただ、階上室と比較して個室幅が10.5cm狭いので、圧迫感を避けたい人には不向きです。

 階上室は、ややゆったりとした揺れはありますが、眺望性に優れスペースも広いので、個人的にはイチ押しします。以上、「サンライズ」乗車時の参考になれば幸いです。

【了】

【写真】筆者のイチ押し「シングル」とは

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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