「狭い道30キロ規制化」それでは困る? 生活道路だけじゃない「実態に即して」と国家公安委員長 改正の背景に“コスト削減”

「それでは困る」があるやもしれぬ 国家公安委員長

 この政令改定を告知するパブリックコメントでは、規制標識がない場合は、道幅がどんなに広くても中央線などがなければ、最高速度は30km/hになるとされています。農道や林道とされる道路でも、一般の通行に使われている道路であれば、この原則が適用されます。

 それでは、クルマの移動がしにくくなるのではないか、という懸念も出てきます。松村委員長もこう話します。

「基本はそうでございますが、例えば、私の地元(熊本県)で言えば、45市町村にお尋ねをした際に、それでは困るというような実情もあるやもしれません。現実私も地元で農道を走ります。本来農作業用の道路ではございますが、多くの一般車も通行をしていると思っております。そうした道路は自治体の皆様方からいろんな御意見を伺うことは重要であると考えておりますので、実態に即したとは、地元の御要望、御意見、こういったものをよく踏まえた上で、必要であればそこは30km/hではなく、速度について検討をするというような対応になるかと考えます」

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松村祥史国家公安委員長(中島みなみ撮影)。

 ただ、地元の要望や意見は、住民の居住地や立場によって変わります。抜け道沿線に住む人や小さな子供を持つ家庭は、できるだけ速度が抑制されることを望むでしょうし、そこから外れた住民は、移動の効率を重視するかもしれません。速度規制の要望を聞く上の一定の基準が必要です。

 そこで、警察庁が6月29日までパブリックコメントで国民に求めているのが、最高速度30km/hとすることについての考え方です。政令の改正から2年の期間をかけて、都道府県警察が速度の見直しを実施します。全国一律の基準は適当なのか。規制速度の考え方はどうあるべきか。さまざまな立場でいっしょに考えることが、歩行者保護につながります。

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