「狭い道30キロ規制化」それでは困る? 生活道路だけじゃない「実態に即して」と国家公安委員長 改正の背景に“コスト削減”

横断歩道の標識がなくなり、ゼブラが少なくなるかも

 横断歩道の標識や道路の標示類も変わる可能性があります。

 横断歩道が設置された場所は、現行の制度では、ゼブラに塗られた横断歩道の道路標示と横断歩道の道路標識がセットになっています。丁字路などでは、横断歩道と止まれの標識が上下に設置されていることもあります。道路交通法施行令の一部改正案では、一時停止と横断歩道の標識が同時に設置されている場合、横断歩道の標識を省略することが可能になります。

 最高速度の変更と同時に公表された「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」案では、白色のゼブラ表示で横断歩道を示す道路標示について、白線の設置間隔を広げる改正も行われます。

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ハンプが設置された生活道路の例。こうしたデバイスで速度を抑制する取り組みが行われているところも(画像:国土交通省)。

 現状の横断歩道の白線の幅は、45~50cm。ラインを引かないアスファルト部分の間隔も同じです。変更されると、白線の幅は現行と同じ45~50センチですが、ラインを引かないアスファルト部分の間隔を45~90cmに広げられるようになります。

「改正により道路標識や道路標示の設置費用を削減することができるほか、人手不足の中でもメンテナンスを維持する体制が取れる」と、関係者は話します。

 生活道路の最高速度を30km/hに規定する施行日は2026年9月1日、横断歩道の標識標示などの変更は公布日を別に定める予定です。

※一部修正しました(6/14 17:13)

【了】

【え…!?】これが法令改正後の「横断歩道」です(写真)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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