デカいぞ「クラウン3000台積み」 トヨタの新・自動車運搬船が登場 代替燃料で“輸送も脱炭素”加速へ

トヨタグループの完成車輸送を担う新たな自動車運搬船が進水しました。東南アジアへの航路としては初のLNG燃料船。自動車のみならず、その輸送においても、脱炭素化が加速しています。

トヨタ車をエコに運ぶ

 トヨタグループのトヨフジ海運が発注したLNG(液化天然ガス)燃料自動車船の第1番船「TRANS HARMONY GREEN(トランス・ハーモニー・グリーン)」が2024年6月7日、三菱重工業下関造船所で進水しました。トヨフジ海運は今後、LNGをはじめとした環境に優しい燃料を使用する自動車船の整備を拡大していく方針で、すでに2番船の建造も始まっています。

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進水したトヨタグループの自動車船TRANS HARMONY GREEN(深水千翔撮影)。

「TRANS HARMONY GREEN」は次世代の自動車船隊を象徴する船として、2025年2月から日本―東南アジア航路でトヨタ自動車をはじめとする完成車輸送に従事する予定です。トヨフジ海運のフラッグシップのひとつに位置づけられています。

 全長195m、全幅30.6m、総トン数4万9500トンで、「下関造船所で建造可能な最大級の船」(三菱重工広報)とのこと。航海速力は19.5ノット(約36km/h)。トヨフジ海運が積載車両台数をトヨタ「クラウン」換算で約3000台としているのも、トヨタグループらしいところです。

 引き渡しは2025年1月末を予定しており、同年2月から横浜や名古屋で完成車などを積み、レムチャバン(タイ)、ポート・ケラン(マレーシア)、シンガポール、パティンバン(インドネシア)といった東南アジアの各港へ向かう航路に投入されます。

 同船が持つ最大の特徴は、この日本―東南アジア航路としては、初のLNG燃料自動車船ということです。三菱造船が手掛けたLNG燃料船としては、商船三井さんふらわあのフェリー「さんふらわあ くれない/むらさき」(1万7114総トン)やKEYS Bunkering West JapanのLNGバンカリング船「KEYS Azalea」(4744総トン)に続く4隻目です。

 なお、三菱重工側はこの船について、トラックなどが船内まで自走できる構造であることからRORO船(Roll-on Roll-off ship)と説明しており、同社が建造するRORO船としても初のLNG燃料船となります。

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  1. unnko