デカいぞ「クラウン3000台積み」 トヨタの新・自動車運搬船が登場 代替燃料で“輸送も脱炭素”加速へ

トヨタグループの完成車輸送を担う新たな自動車運搬船が進水しました。東南アジアへの航路としては初のLNG燃料船。自動車のみならず、その輸送においても、脱炭素化が加速しています。

自動車の輸送手段も脱炭素 急速に進める

「TRANS HARMONY GREEN」ではLNGと軽油を燃料として使用できる2元燃料(DF)エンジンを搭載しました。現在、就航している同規模の重油燃料船と比較して、船型改良などの効果も含め、燃焼時のCO2(二酸化炭素)排出量を35%削減。さらに硫黄酸化物(SOx)の排出も99%削減できると見込まれています。

 LNGのバンカリング(供給)に関しては国内のバンカリング船がまだ少ないため、シンガポールなどで行う予定です。トヨフジ海運によると「従来の船舶建造コンセプトである『安全を最優先にしつつ、地球環境と人への調和』を引き継ぎ、その想いを更に深化させ建造した」としています。

 トヨフジ海運は2050年までに船舶のCO2(二酸化炭素)排出ゼロを目指す「トヨフジ環境チャレンジ2050」を掲げ、既存の船隊を重油焚きから次世代燃料船へ切り替えていく方針を示しています。

 すでにバイオディーゼル燃料を使用した船舶の運航を始めており、内航では2023年4月から2000台積みの「とよふじ丸」(1万2687総トン)でバイオ燃料を本格的に導入しました。

 外航では同年10月から日本―オセアニア(豪州・ニュージーランド)航路の「DREAM JASMINE」(3000台積み、4万1662総トン)でバイオ燃料の試験導入を実施しています。同船のバイオ燃料は使用済み食用油から製造されており、低硫黄C重油に24%混合して使用。これにより既存の化石燃料と比較してCO2の排出を約20%削減することが見込まれています。

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トヨフジ海運の自動車船はイルカのマークが目印(深水千翔撮影)。

 一方でバイオ燃料は「足元の対応策」である上、荷主の自動車業界もCO2の排出が大きく削減できる船を求めています。そのため将来的にはメタノールやアンモニアといった燃料も導入される可能性があります。こうした点からも「TRANS HARMONY GREEN」にかける期待は大きいと言えるでしょう。

 トヨフジ海運は三菱造船にLNG燃料自動車船を2隻発注しており、2024年11月には2番船の命名・進水が行われる見込みです。

【了】

【ぶ、ぶつかる…!!】造船所にギリギリ!巨大「自動車船」の全貌(写真)

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1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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