ドカンと一発!「夢の巨砲」←それ、要りますか? 戦車の巨砲化にNOの声が聞こえるもっともな理由

ロシアのT-14に対抗するため主砲を140mmへ――約40年止まっていた戦車の巨砲化が再び動き出したものの、疑問の声も上がっています。理由はT-14戦車が実戦投入されないことと、ウクライナ戦争では違うニーズが出ていることです。

「アスカロン」はレオパルト2A-RCに搭載可能

 KNDSは、「アカスロン」が今後50年に登場するであろう敵戦車に対抗できるとアピールしており、RHA換算貫通力は1000mm以上であることを示唆しています。「アカスロン」はMGCS用と謳われていますが、2024年6月12日に発表されたレオパルト2シリーズの最新型デモンストレーター「レオパルト2A-RC」にも装備できるとしています。これはMGCS完成までのブリッジソリューションとされています。

 レオパルト2A-RCは無人砲塔で従来の120mm砲、ラインメタルの130mm砲も選択できます。ちなみにラインメタルとは、MGCSのビジネスライバルとなる「KF51パンター」を発表している関係にあります。このライバル社製品でさえも、自社のオプションに含めるという欧州戦車業界の複雑な一面が垣間見えます。

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レオパルド2A-RCの主砲付近のアップ。無人砲塔で、主砲は120~140mm砲を選択して交換できるという(画像:KNDS)。

「アスカロン」はモジュラー化されており、現場でも1時間以内に砲身交換が可能だそうです。MGCSの具体形は出てきていませんが、それを見込んだ構造になるのでしょうか。ちなみに公表されたレオパルト2A-RCの写真を見ると、無人砲塔なので構造に柔軟性は持たせてありそうです。主砲取付部は交換を考慮してスリット状とされ、砲架がはまっているように見えます。

 また反動吸収技術の向上と、反動をコントロールする革新的なマズルブレーキにより、重量50t以下の車両にも搭載できる点も特徴です。次世代戦車は軽量化することも織り込み済みなのです。

【写真】巨大主砲「アスカロン」をぶっ放す!

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