ベストセラー戦車の最新型「もういいです」イタリア向け3国共同開発が頓挫か “乗り換え先”の戦車とは
代替は全く別のドイツ製戦闘車か
半島国家であるイタリアの国土を護るイタリア陸軍は、冷戦時代から大陸と国境を接する北部には戦車を中心とした装軌式車両を運用する部隊、海に面した南部には機動力の高い装輪式車両を中心とした部隊を配置しており、南部の部隊には1991年から105mmライフル砲を備えた装輪式の「チェンタウロ」の配備を開始しています。
またイタリア陸軍は2021年から、120mm滑腔砲や砲弾自動装填装置、モジュラー装甲などを備えたチェンタウロの改良型「チェンタウロ2」の配備計画も進めています。
戦闘力のアップしたチェンタウロ2の配備により、イタリア南部の防衛力はより強固なものとなるはずですが、高まるロシアの脅威に対処するには就役開始から30年以上が経過し、老朽化・陳腐化が進むC1アリエテでは力不足であることが明白でした。
その後継としてイタリア陸軍はレオパルト2A8IT の導入を決定したわけですが、前にも述べたように同車によるアリエテの更新計画はほぼ頓挫したことになります、
中央日報は業界情報筋の話として、イタリア陸軍がレオパルト2A8の代わりにKNDSのライバルであるドイツのラインメタルが開発したKF51「パンター」の導入を考慮する可能性があると報じており、今後の推移が注目されます。
【了】
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
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