「新紙幣つかえない!」がシャレにならない どうなる高速道路の現金車対応 利用者どう対処すべき?
新紙幣対応「あまり進んでいない」高速道路とは?
まず、切替日までに、新紙幣対応が100%終わっている高速道路会社は5社中3社。NEXCO東日本、NEXCO中日本、首都高速でした。
収受員が常駐せず、現金車が料金精算機で支払いをする一般レーンは24年6月1日現在、東日本で323レーン、中日本で189レーン、首都高速で19レーンあります。3社では、いずれのレーンでも新紙幣対応済みでした。
首都高速で料金精算機を使ったレーンが少ないのは、ETC専用化していない一般レーンに料金収受員が常駐することが多いためです。
NEXCO西日本も、対応はほぼ終わっています。同社によると料金精算機で収受を行う現金車レーンは382レーンあり、6月30日時点で98%が新紙幣対応済みということでした。
対象的に、あまり進んでいないのが阪神高速です。料金精算機の場所について「料金所数で50か所ある」と話しますが、このうち新紙幣対応が完了しているのは「4割くらい」。30か所の料金所で新紙幣が使えないことになります。阪神高速の料金所は151ありますから、全体の約20%で新紙幣が使えないことに。これまでの4社と比較すると、新紙幣未対応の比率がかなり高いです。
現金車の場合は新紙幣しか持ち合わせていないと、支払いに困ることになりそうです。また、都市高速は退避スペースがないことが多く、料金収受のトラブルがあると通行レーンがふさがってしまうので、阪神高速は早急な対応が必要です。
いちばんの自衛策は運転者があらかじめ旧紙幣を用意しておくことですが、料金精算機には、必ず高速道路会社の係員と通話ができるインターフォンも完備されています。もし新紙幣しか持ち合わせていない場合は係員の指示で料金未払いの処理をすることができます。事故を誘発する無理な運転をしないことを最優先に、係員と話し合うことが大切です。
高速道路のほかにも、全国には自動精算機を使っている有料道路がたくさんあります。その中にはETCにも、新紙幣にも未対応の道路もあります。当分の間、新紙幣に掲載の人物がおなじみの顔になるまでは、旧紙幣の常備が必要かもしれません。
【了】
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
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