発車時刻に遅れたら“置き去り”は本当? そもそも「車外に客出さない」場合も 高速バス「休憩」の変化

高速バスの運行中にトラブルが生じやすいシーンが、SA・PAなどでの休憩です。各社があの手この手で“乗り遅れ”を防いでいますが、そもそも客を車外に出さない事業者も。乗務員にとっても休憩は運行上ますます重要になっています。

乗り遅れたらSAに「置き去り」いまどうなの?

 バスを離れる利用者に番号札やストラップ付きのプレートを渡し、戻ってきた際に回収する、という方法を採っている事業者もあります。平成エンタープライズ「VIPライナー」が始めた手法が広がったものと考えられます。座席定員と同じ数の札が揃わない限り、誰かが戻ってきていないことになるので、人数確認の手法としては完璧です。

 ただ、休憩時間中、乗務員は交替でバスの前に立って札を回収する必要があります。乗務員のトイレ、車両点検などの時間が別に必要となり、停車時間が伸びてしまいます。

 また、一時期「人数確認をしない」と案内した上で、本当に人数確認をせず発車(ただし案内した出発時刻以降、しばらく待機してから発車)していた事業者もありましたが、けっきょく元に戻っています。「乗合バスだから定刻に発車すればいい」という意見もありますが、そうもいかないのが現実です。

 鉄道では乗客が途中の駅に置いて行かれても駅員が何らか対応できますが、高速道路のSAで利用者がバスに置いて行かれた場合、SA側でできる対応には限界があります。車内に残された手荷物の返却などバス事業者の側の対応も煩雑になり、人数確認を確実に実施する方が無難、という結論になってしまいます。人数確認の苦労はまだまだ続きそうです。

遅れているのにまた休憩!?

 もう一つの課題が、渋滞で遅延した際の対応です。冒頭でご紹介した運行管理の法令のうち、「改善基準告示」で決められている「運転時間4時間に対し合計30分以上の運転の中断」(ただし、10分以上の中断を合算して30分以上であれば可)は、運行計画ではなく実際の走行実績に基づく必要があります。つまり、運行が大幅に遅延した際は、臨時で追加の休憩が必要になるのです。

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一般道の道の駅で開放休憩を行う場合もある(成定竜一撮影)。

 さらに「運転時間」には回送中の運転も含まれます。目的地で降車扱いをした後、大都市の停留所周辺には10分以上バスを止めておく場所など無く、最後の休憩場所から車庫に着くまでが「連続運転」扱いとなるので、臨時の休憩が必要となるケースは意外と発生します。

 特に昼行路線では、「ただでさえ渋滞で遅れているのに」と、利用者は(実は乗務員本人も)一刻も早く目的地に着きたい気持ちになりますが、法令を守り、ひいては安全を確保するための休憩ですので省略するわけにはいきません。

【乗務員“ココで寝てます”】高速バス「秘密の仮眠室」(写真)

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