発車時刻に遅れたら“置き去り”は本当? そもそも「車外に客出さない」場合も 高速バス「休憩」の変化

高速バスの運行中にトラブルが生じやすいシーンが、SA・PAなどでの休憩です。各社があの手この手で“乗り遅れ”を防いでいますが、そもそも客を車外に出さない事業者も。乗務員にとっても休憩は運行上ますます重要になっています。

「バス乗務員がカレーを食べていた」実は珍しい?

 ところで以前、「高速バスの乗務員が休憩の際にカレーを食べていたことが苦情になった」というニュースが話題になりました。確かに、開放休憩の際に乗務員自身が食事をとるのは珍しいケースではあります。

 というのは、片道4時間程度以下の昼行路線と、片道6時間を超える夜行路線では、遅延しない限り、乗務員自身の食事の時間とは重なりません。前者は目的地に到着後、折り返しまでに正式な休憩時間がありますし、後者は深夜帯に運行するからです。

 これらの路線では、SAでの15~20分程度の休憩中も、乗務員にとっては休憩ではなく労働時間としてカウントされるのが普通です。バス乗務員は会社員ですから労働時間や休憩の考え方は一般的なデスクワークの人と同じで、法定の休憩は終点到着後に確保されます。SAでの休憩は、デスクワークの人が正式な休憩(いわゆるお昼休み)以外の会議の合間などに、トイレに行ったり「一服」したりするのと同じ扱いです。

 しかし、片道5~6時間の昼行路線では、SAで30分ほど休憩するものがあり、その中には、運行管理の法令をクリアする目的に加え、一般的な労働規制で定められた休憩時間の確保を兼ねているケースがあります。いわゆるお昼休みに当たる時間で、当然、食事をとる乗務員もいます。

 もちろん、それ以外の路線でも、渋滞で大きく遅延した際などは乗務員が食事をとるケースも起こります。珍しいケースだけに苦情になったのかも知れませんが、これもまた法令で定められた乗務員自身の休憩時間ですのでご理解をお願いします。

【了】

【乗務員“ココで寝てます”】高速バス「秘密の仮眠室」(写真)

Writer:

1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。著書に『高速バスのビジネス』(成山堂書店)、『「マーケティング感覚」の実装力』(同文舘出版)。新聞、テレビなどでコメント多数。

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