ドローン戦争の今こそ戦闘機F-15復権か?「イーグルII」沖縄配備が理にかなっているワケ
日本の独自アップデートでもミサイル数を増やす予定
航空自衛隊のF-15Jも、現行モデルでは空対空ミサイル最大8発ですが、近代化改修型F-15JSIへアップグレードした場合には、10~16発を搭載できようになる可能性があります。
つまりF-15EXやF-15JSIは既存の戦闘機の2~4倍の効率で、ドローンや巡航ミサイルを迎撃することが可能といえるでしょう。
F-15EXの純粋な空中戦能力はF-22やF-35には劣るかもしれませんが、防空のための迎撃戦闘機(インターセプター)ならば十分すぎるほど高性能であり、またステルス性に劣る欠点も問題にはなりません。
ドローンの活用は今後も拡大する一方なのは間違いなく、飽和攻撃の規模はより一層拡大することになるでしょう。こうした事態において、開発元のアメリカを筆頭にF-15の搭載力拡張には大きな期待が寄せられているのです。
また、F-15シリーズが持つ優れた搭載力は、空対空ミサイルだけでなく、巡航ミサイルや自爆型ドローン搭載母機としても優秀であることを意味します。目を転じると、イスラエルでは自軍のF-15に大型の空中発射弾道ミサイルを搭載し、試験も行っています。敵防空網のカバーエリア外から、これら兵装を発射するミッションに、F-15は最も適した戦闘機であるといえるでしょう。
F-15が開発された1970年代当時、F-15をこうしたミッションに使うことは考えられていませんでした。しかしF-15は単なる古い戦闘機ではありません。その拡張余地の大きさが新しい時代への適応を可能にしたのです。
アメリカ国防総省も、このたび在日米軍の嘉手納基地にF-15EX「イーグルII」を配備すると発表しました。こうしたことを鑑みると、F-15シリーズは、今後もステルス戦闘機と併存する形で、長く使われていく模様です。
【了】
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
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