「すごく安定している」 特定原付の「四輪型」使い勝手バツグン!? 高齢者の免許返納で熱視線のワケ

グラフィットが発表した四輪型の特定小型原付の試乗会が開催。二輪タイプと比べ安定する構造で、免許返納後の移動手段として高齢者の支持を集めました。そこから見えるのは、移動の“制約”への不満です。

80歳、返納したら必要 問題は価格

 千葉県在住の80歳の男性は、家族といっしょに東京試乗会を訪れました。

「すごく安定している。スロットルを離すと止まっちゃうから、カーブとかではぎこちなかったけど、慣れるとうまく走ることができると思う」

 男性は大型免許を返納し、現在は普通免許と自動二輪免許を所持。バイクに乗っていたのは40歳ぐらいまでで、もっぱら乗用車を運転しています。

「免許返納して、クルマの便利さがなくなった時には必要な乗りもの。こういう乗りものがあるといい。問題は値段。年金暮らしでも手が届く価格だったらいい」

 グラフィットの広報担当・安藤明子さんは、試乗会の手ごたえを、こう話します。

「試乗会に来ていただける人からは、具体的な質問が多く寄せられて驚いています。例えば、アームレストやバックレストは付けられないかとか、荷物の置き場所は作れないかとか。自分が乗ることをイメージした要望が多いです」

 四輪型特定小型原付の登場に希望をつなぐ人は、免許返納を見込む高齢者だけではありません。安藤氏はこうも話します。

「実は身体の不自由な人からも、利用できないかという問い合わせは多いです。電動車いすはシニアカーと同じ速度6km/hなので、免許返納した後の人と同じように、移動のスピードに不満を抱えていることがわかりました。福祉車両としては別の課題もありますが、可能性を幅広く考えていきたい」

 グラフィットが開発した四輪型特定小型原付は、歩道と車道にある段差に乗り上げることがあっても転倒しにくいリーンステア制御を搭載。幅の狭い生活道路での走行安定性と、自転車並みの小回りを両立させています。

 現状での開発課題は、年齢を問わない安全な操作性。試乗車は急ハンドルを防止するステアリングダンパーを付けていました。

 同社は「2年後の量産体制」(鳴海社長)を目標に、日本初の姿勢制御機能付き四輪型特定小型原付の市販を狙います。

【了】

【これがキモ】四輪型特定原付の「めっちゃ傾くタイヤ」(写真)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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