「鉄道の街」もはや鉄道が脇役に!? どんどん埋められる高輪&品川 激変中の“今だけの光景”

品川駅も激変 “京急の顔”は消滅

 品川~田町間の再開発は高輪地区だけではありません。品川駅も大規模に生まれ変わります。2022年の段階では、北コンコースよりさらに北側へ人工基盤を延長し、駅ビルと新しい改札口、北口広場を設けました。駅ナカ施設の拡充も図られています。

 さらに品川駅西口も激変します。西口(高輪口)にあったホテルパシフィック東京は、京急が1971(昭和46)年にオープンさせ、2021年の閉館まで品川西口の顔でした。ホテルは解体作業に入り、西口開発地区に複合施設を建設予定です。京急品川駅は高架構造を地平ホーム化し、2階部分はJR品川駅から人工基盤を延長させ、第一京浜(国道15号)を跨ぎ、複合施設に直結させます。

 また地平ホーム化する京急は、品川駅南側に架かる八ツ山橋と踏切を廃止して、北品川駅を含む新馬場駅の手前までを高架化します。品川駅の地平ホームから一気に高架へと駆け上がる構造となるのです。2022年の段階では新たな線路スペースの敷地を整備していました。

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解体されたホテルパシフィック東京の敷地を手前にして品川駅を見る。京急とトヨタ自動車が共同事業主となって、高層ビルやホテルがつくられる(2023年7月、吉永陽一撮影)。

 品川~田町間は、広大な都心の鉄道敷地を整理することで大きな街が誕生します。いわば、鉄道があったからこそ、ここまでの大規模開発が行われることになりました。

 工事が進行すると、だんだんと鉄道が地上から見えなくなり、脇役になってきているように感じてちょっと寂しさもあります。きっと、それがこれからの都市の鉄道と街の姿なのでしょう。

【了】

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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