「酷道」とのギャップがスゴイ!? 開通ホヤホヤ「冠山峠道路」を実走 山奥の新ルートはマジで“高速の迂回路”になり得るのか?

北陸道vs.クラウンロード、どっちが良い?

 他方で、どうしても気になるのが冠山峠付近の“旧酷道”です。どのような感じなのか探るため、冠山トンネルの出口から少し入って運転してみました。

 冠山トンネル付近に残る林道は1車線で、クルマ同士のすれ違いは困難。さらに、この道を通行するのが積雪時や夜間だったらと思うと背筋がゾッとしますが、このことからも冠山トンネルの意義深さを再認識しました。

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福井県側に入ってしばらくは、携帯電話の電波が届かない場所が増える(2024年、松田義人撮影)。

 さて、改めてクラウンロードで冠山トンネルをくぐり福井県側に出ても、山あいの道が続きます。途中、中央線がなくなり道幅が狭くなる区間があったり、特に携帯電話の電波が届かなくなったりもしましたが、それでも道路は比較的真っ直ぐ。制限速度を守れば、それほど危ない思いをすることはないだろうとも感じました。

 道路は池田町の中心部に入ったところでクラウンロードの区間が終わりますが、国道417号自体はそのまま鯖江市へと続きます。

 今回の走行で感じたことは、単に「疲労度の少ない移動」だけを求めるのであれば、北陸道の方がよほど便利ですが、ドライブやツーリングなど「走りを楽しむ」ならば、確実にクラウンロードの方が良いということです。ダム湖などの絶景を楽しめるほか、劣悪だった冠山峠付近のエピソードなども含めて考えれば、双方の県民の心情に思いを寄せることもできるでしょう。

 また、岐阜県揖斐川町と福井県池田町の移動時間は、北陸道経由とクラウンロード経由でどちらもほぼ同じの約2時間弱。このことから北陸道の迂回路としての利用価値も十分で、今後さらに注目を浴びるルートのようにも思いました。

【了】

【写真】ギャップがすごい! 冠山トンネルと旧酷道を写真で見る

Writer: 松田義人(ライター・編集者)

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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