空自の戦闘機派遣「ワンチームで行くぞ!」豪州演習で見せた“少数派”こその強み

機体は福岡から、でも隊員は「オールジャパン」

「ピッチ・ブラック」演習の期間中は、各国の派遣部隊幹部による共同記者会見が行われており、航空自衛隊からは派遣部隊指揮官を務めた第8航空団の飛行群司令、小林1等空佐が列席していました。そこで、筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は質疑応答の時間に、派遣部隊について質問してみました。

 先に述べたとおり、日本からはF-2戦闘機が派遣されていましたが、その数は6機で、すべて福岡県築城基地の第8航空団に所属する機体とのこと。ただし、第8航空団には第6飛行隊と第8飛行隊があり、双方から派遣されたと小林1佐は答えてくれました。

 ちなみに、前回(2022年)行われた「ピッチ・ブラック22」には茨城県の百里基地に所在する第7航空団が参加しており、その隷下の第3飛行隊の所属機が派遣されていたため、今回は別の飛行隊が選ばれたことになります。

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記者会見前にニュージーランド(左)とオーストラリア(右)と記念写真に収まる第8航空団の飛行群司令、小林1等空佐。和やかな雰囲気で撮影に応じられるのは、日頃からコミュニケーションを行っていることの賜物ともいえるだろう(布留川 司撮影)。

 とはいえ、機体こそ築城基地のものであるものの、人員は前出の3つのF-2飛行隊からそれぞれ派遣されているそうで、実質的には日本全体のF-2飛行隊が合同した「オールジャパン」的な陣容となっていたようです。

「今回の演習では第3飛行隊(百里基地)、第6飛行隊(築城基地)、第8飛行隊(築城基地)の3コ飛行隊がチームとしてひとつにまとまっており、その中には2022年の演習に参加したパイロットも含まれています。また、参加によって得たノウハウは他の隊員たちにも共有されており、効率的な訓練を行うだけでなく、現地での飛行における安全性を確保しています」と小林1佐は説明していました。

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