初飛行50周年 ヨーロッパ共同戦闘機「トーネード」万能性を追求したら“見込み客”半減なぜ?

今から50年前の1974年8月14日、1機の軍用機が初飛行を行いました。機体の名前は「トーネード IDS」。複数国が集まって共同開発を行う機体のさきがけとも言える存在ですが、その完成までには困難もあったようです。

思惑が違うのにまとまるはずはなかった…

 しかし、同じNATO加盟国といえども、地理的事情により各国で要求性能は異なり、それをまとめるのは至難の業でした。たとえば、イギリスは空戦能力を欲しつつも、地上攻撃や偵察を重視していたのに対し、ほかの国は制空戦闘に優れた戦闘機が欲しいといった状況で、運用思想すら違っている状態だったのです。そのため、最初から計画通りスムーズにいくはずもありませんでした。

 計画の詳細が決まる前に、まずカナダとベルギーが離脱を表明。1969年3月にイギリス、西ドイツ、イタリア、オランダの4か国でひとまず制空戦闘、地上攻撃、偵察などの幅広い任務をこなす戦闘機を作るにはどうすればいいかの意見交換などが行われましたが、1970年に今度はオランダが、ここまで複雑で開発が困難な機体は不要と判断し、離脱してしまいます。

 結局、残ったイギリス、西ドイツ、イタリアの3か国で、エンジンや機体を開発する合弁会社である「パナビア エアクラフト」を設立。イギリスと西ドイツがそれぞれ業務量の42.5%の株式を取得し、イタリアが残りの15%を保有する形で本格的な戦闘機の開発がスタートします。

Large 20240820 01
離陸する直前の実験機1号機(画像:BAEシステムズ)。

 しかし、この後も同機をふたり乗りの複座機にするかひとり用の単座機にするかで、イギリスと西ドイツが揉めることになります。このときは結局、複座型を推すイギリスの案が通ります。

【おう、ド派手…】これが、50周年記念カラーの「トーネード IDS」です(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  4. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  5. 旅客機の右エンジンに「侵入者」が直撃! 離陸直後に“炎が吹き出す”戦慄映像が公開される
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開