宇宙飛行士が旅客機のコックピットになぜ?「操縦訓練にあらず」JAXAとANAが見据える次の一手
JAXA宇宙飛行士の基礎訓練に、ANAの訓練メニューが使われました。同社が保有する施設を用いて行われたトレーニングは、操縦技量というよりも心理的な鍛錬の意味合いが大きいようです。その様子を実際に見てきました。
JAXAとANAの両方にメリット
今回の事例は、JAXA、ANA双方にとってプラスだったようです。
JAXAとしては、民間でも充分な宇宙飛行士に対する訓練が施せるということがわかりました。ANAとしては、これまで内容を調整して医療従事者などに提供してきたCRM訓練をそのまま適用できる事例が新たに見つかったことに加え、まさに宇宙事業を立ち上げている最中に、宇宙飛行士訓練というダイレクトに宇宙開発へと関与する部分の実績を上げられる目途が立ったというのが主要な成果でしょう。
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宇宙飛行士候補者の基礎訓練は終盤にさしかかっています。現在のスケジュールでは、今年(2024年)10月に訓練を終え、審査委員会で宇宙飛行士として認定するかの審査を行うことになっています。
そのとき米田あゆ、諏訪理の両候補者が宇宙飛行士になることができるか。ただ、この審査が終わり、晴れて正式な宇宙飛行士になっても、訓練は続きます。高めた能力を維持向上する訓練、ミッションが決まればそれに向けた訓練など、実際の宇宙飛行よりも長い期間を訓練に費やすことになります。
【了】
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