「寿命半分」なのに30年! 賛否分かれたJR東日本の“歴史的名車” その目論見を振り返る

国鉄分割民営化後の“新生”JR東日本が画期的な次世代車両として製造した209系電車。「寿命半分、重量半分、価格半分」というコンセプトで登場しましたが、今も運用が続いています。当初の目論見はうまくいったのでしょうか。

寿命半分・重量半分は実現したのか?

 鉄道車両の寿命は通常25~30年ですが、6年(当時)ごとに機器や内装をすべて取り外して行われる「全般検査」や主要機器の更新など、かなりの人手と費用をかけてメンテナンスやリニューアルを行っています。

 そこで「13年間、走行200万kmまでオーバーホール不要」を基本仕様とすることで、メンテナンス費用を削減しようと考えたのです。実際には法令上の制約があるためメンテナンスフリーは不可能ですが、この考え方は後に検査周期の柔軟化を取り入れた省令改正につながりました。

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国鉄末期に開発された205系電車(画像:写真AC)。

 なお「13年」とは機械としての寿命ではなく、税制上の減価償却期間をふまえた数字であり、13年で廃車しても会計上の問題がないことを意味しています。13年が経過した後、リニューアルして継続使用するのか、新型車両に置き換えるのか、技術革新や旅客ニーズの変化をふまえた経営判断が可能になります。

「重量半分」もコスト削減に直結します。従来の車両設計では強度上の余裕を大きくとり、必要以上に頑丈に、重くなっていたため、強度基準の範囲で「贅肉」を削そぎ落としました。

 鋼製車体より軽いステンレス車体に、シンプルで軽量なボルスタレス台車という構成は、国鉄末期に開発された205系電車と同様ですが、ステンレス板を従来の1.5mmから0.3mm薄く、台車も構造も変更して、さらに軽量化しました。

 ただ、あまりにコストダウンを追究した結果、一部の車両では経年により外板や内装の劣化が目立ち、安普請との批判を招いたことが、209系の評価が分かれる要因でもあります。

 また、モーターの制御方式にVVVFインバータ制御を採用することで、動力車を1編成10両あたり6両から4両に削減。モーターの付いた重い車両が減るため、編成全体での軽量化に成功しました。国鉄を代表する通勤電車である103系を基準に編成重量を比較すると、205系は19%減でしたが、209系は34%減まで軽量化しました。

 車両の軽量化は動力コストの低減のみならず、車体重量が大きく影響する線路の保守費用削減にも効果があります。車体本体の製造費用では205系から30%減でしたが、動力車削減による消費電力の削減、保守費用のコスト削減を加味して、ライフサイクルコストは40%減となりました。

【現役】今も走る209系電車を写真で見る

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