「世界一物価の高い国」でスーパー銭湯行ったら、値段が… でも実は「神コスパ」の過ごし方かもしれません

「8800円のスパ銭」…高いけどホテル超えたかも!

 そこで、ダメ元で「シンガポール スパ」と検索します。すると出てきたのが、マウントバトン駅の近くにある日本とほぼ同じスタイルの、とある温浴施設でした。外観は「本当に営業しているの?」といいたくなるほどの雰囲気でしたが、裏口から2階に上がると、しっかり営業中です。

 館内はサウナ・水風呂・プール・仮眠室・レストラン&カフェなどが備わっています。なぜここを選んだかというと、8800円で24時間営業、そして最大24時間まで滞在できることに加え、追加料金なしでドリンク(アルコール類はなし)飲み放題、さらに食事も食べ放題だからです。

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朝4時ごろのチャンギ空港(松 稔生撮影)。

 食事メニューはバイキング形式のほか、オーダー後に調理し始める通常メニューもあります。試しにココナッツライス「ナシレマ」とフライドチキンのプレートを頼んでみましたが、いわゆる「レンチンメニュー」とは一線を画す、レストランクオリティのものだったと記憶しています。

 残った作業をレストランエリアの奥まったところでこなし、仮眠室へ向かいます。

 室内は最初からかなり暗くなっており、リクライニングソファはフカフカ。毛布と枕もあります。空港で一夜を明かしたあとだと、まさに天国です。数時間ぐっすり寝てから、風呂に入りさっぱりし、再度空港へと向かいました。朝の絶望と疲労から一転、幸せな気分のあまり、施設を出るのが本当に惜しくなってしまったほどです。

 通常の旅行やビジネス渡航であれば、ホテルなどをすでに手配していることが普通ですが、チャンギ空港では、ここを経由し、別の国へ乗り継ぐニーズも非常に高い空港です。場合によっては、シンガポールでの待機時間がかなり長くなるケースもあるでしょう。もちろん空港エリア・空港内にもホテルはありますが、8800円を軽く超える極めて高い料金か、もしくは安くても時間制限があったり、ドミトリータイプだったりすることが多いです。

 確かに日本の「スパ銭」と比べるとびっくりするほど高額ですが、時間を気にせず過ごせるほか、ホカホカでおいしい現地の食事とキンキンのドリンクにいつでもありつけ、しかも入浴までできました。ホテル代としては、通常のシティホテルよりはるかにコスパが良かったと確信しています。後悔はまったくありません。

【了】

【写真】これが「世界一物価の高い国のスパ銭」全貌です

Writer: 松 稔生(航空ライター)

国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。

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