「スタジオジブリ」宮崎 駿がメッチャ愛する“異形のクルマ”とは? 事務所「二馬力」の由来にも

監督は「クルマ社会大嫌いのクルマ大好き人間」

 メカ好きの宮崎さんでしたが、クルマに興味を持ったのは意外にも遅く、東映動画在籍中に免許を取得し、1967年に初めての愛車となるシトロエン2CVを中古で購入しています。

 1960年代と言えば、庶民でも手が届く国産大衆車が登場した時期でもあり、好景気の追い風もあって、庶民の間でマイカーが普及し始めた頃です。ただ、彼はそうした風潮を「軽薄だ」として嫌っていたとのこと。

 しかし、1965年に朱美夫人と結婚。長男の吾郎さんを授かると夫婦共働きだったこともあり、子どもを保育園へと送り迎えするのにクルマが必要となって、マイカー族へ転向。フランス映画『恋人たち』に登場するブリキ細工のような2CVに触発された宮崎さんは、クルマ好きの先輩アニメーター、大塚康生さんに相談し、中古車を探してもらいます。

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ジブリ作品を数多く手掛けてきた宮崎 駿監督(「崎」は山へんに「立」と書いて「可」の異体字が正式)。写真は2012年当時(画像:文部科学省)。

 大塚さんが見つけた2CVは、もともとプリンス自動車の社員が所有していたクルマで、前年に同社が日産と合併することになり、内規で他メーカー車の所有が禁止されたことから、個人間売買で売りに出されていたクルマでした。

 実車を試乗した宮崎さんは、簡素で合理的な設計の2CVを「このクルマそのものが文明批判だ!」とすっかり気に入り、一説には家賃10か月分の代金で購入を即決したそうです。後年、宮崎さんはこのクルマとの出会いによって「クルマ社会大嫌いのクルマ大好き人間」になったと語っています。

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