刺傷のヤマハ社長は「日本のバイク界の盛り上げ役」 事件に同情と期待の声

他でもないヤマハ日高社長が「盛り上げ役」の理由

 ヤマハが長くこの役割を担っているのは理由があります。国内バイクメーカーは同社を含めて、ホンダ、スズキ、カワサキの国内4社が世界的なバイクメーカーとして名を馳せています。ただ、ホンダは登録車、スズキは軽自動車、カワサキは重工と、それぞれがバイクとは別に主力となる分野を抱えています。日高氏は自動車業界では副会長として参画しながら、バイク業界活動の表舞台を委員長として担っている形です。

 日本自動車工業会は、日高氏の今後の活動について、次のようにコメントしました。

「プライベートのことなので、特にコメントすることはありませんが、(副会長としても、委員長としても)当初の予定通り、活動を推進していきます」

 今年の「バイク・ラブ・フォーラム」は9月27日に宮崎県で予定されています。イベント関係者の一人は、こう話しました。

「家族のことは家族しかわからない。とてもたいへんで、これからもたいへんな中、無責任とお叱りを受けるかもしれないが、日高氏もバイクに乗られる。いろいろあることは承知で、これからも変わらずハートの回転数を上げてもらえたら心強い」

 ただ、さまざまな場面での重責を担いながら難局を切り抜けた経営者にも、家族と向き合う時間が必要かもしれません。日高氏は当面、オープンな行事への出席は見合わせるという話も聞かれます。仕事とバランスと取りながら、一刻も早く日常を取り戻したいという選択かもしれません。

【了】

【波紋】自らヤマハのバイクに乗る日高社長(写真)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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