全国の鉄道会社で発覚!「安全にかかわる数字の不正」バレずにいたらどれだけヤバかった?

JR貨物の発表を皮切りに、JRグループや私鉄各社で「検査データの不正」が相次いで発覚しました。何が起きていたのか、安全上の問題は何か、各社の発表から読み解きます。

きっかけはJR貨物の脱線事故

 JR貨物の発表を皮切りに、JRグループや私鉄各社で相次ぎ発覚した「車軸取り付け時の値超過」と「検査値の書き換え」。ただ、利用者からすると、何がいけなくて安全にどう影響するのか、いまいちわかりにくいものでした。一体何が起きていたのか、安全上の問題はどこにあったのか、改めて読み解きます。

 そもそもJR貨物での不正が明らかになったきっかけは、2024年7月24日に新山口駅構内で発生した貨物列車の脱線事故でした。詳しい事故原因は運輸安全委員会で調査中ですが、列車を牽引していたEF210形電気機関車は、進行方向1番目の車軸が折れていたことが判明しています。

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JR貨物の貨物列車(画像:写真AC)。

 安全確保のためJR貨物が緊急点検を実施したところ、脱線した車両を整備した車両所で車軸と車輪の組み立て整備をした際、車軸を車輪に押し込む作業(圧入)で基準値を超えたにもかかわらず、検査値を不正に差し替えていたことが判明しました。そこで、ほかの車両所についても調査したところ、全国3か所、631両(機関車4両、貨車627両:2024年9月12日現在)で同様のケースが発覚したのです。

 この結果を受け、国道交通省が各鉄道事業者に点検を要請したところ、9月20日までにJRグループをはじめ、東京メトロなど3社(メトロ車両が整備を受託)、そして京王重機整備が整備を受託した31社局の車両で同様の不正が判明しました。JR貨物では少なくとも2014年頃から、京王重機整備でも記録の残る2016年以降で数値の差し替えがあったことが判明しています。

 鉄道車両の車軸と車輪は溶接されているわけではなく、いわゆる「はめ込み式」になっています。車輪の穴は車軸の直径よりわずかに小さく、そこに圧力をかけて車軸を挿入する「圧入」という手法で組み立てられ、相互に働く摩擦力で固定されます。

 この作業に関しては、日本産業規格(JIS)で各数値が厳格に定められており、具体的には車輪の穴と車軸の直径との差(締めしろ)、それに対応する挿入時の力(圧入力)と圧力変化(圧力チャートの波形)などが規格化されています。

【現代の貨物列車で見かけなくなったものとは?】

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