「燃費なんて気にするならスバルに乗るな」が一変? 「新型ハイブリッド」の実力とは やはり他と違う“目の付け所”
SUBARU=「そこまで燃費が悪くない」という事実
ちなみに、スバルにとって、北米は、もっとも重要なお客様です。2022年の販売実績を見れば、年間約80万台の販売のうち、北米が60万台もあるのです。
さらに驚くのは、北米のお客様が、けっしてスバル車を「燃費が悪い」と思っていないことです。
スバルの調べになりますが、北米のライバルと比較したとき、スバル車の燃費は劣っているどころか、より勝っているというのです。確かに、北米でライバルとなるフォードやGM、ジープのSUVには、驚くほど燃費に無頓着なモデルが数多く存在します。日本車同士ならいざ知らず、現地アメリカン・ブランドと比較すれば、スバル車は、れっきとした「燃費の良いクルマ」なわけです。
そこまで言うのであれば、スバルがプロペラシャフト付きの4WDを手放すわけはないでしょう。また、「凍結路などの滑りやすい路面では」というスバルらしい前提条件ですが、後輪モーター式4WDよりもプロペラシャフト4WDの方が、ブレーキ回生の効果が大きいとか。
ということで、当分の間、スバルはプロペラシャフト付きの4WDを作り続けることでしょう。その一方で、これまで使っていたマイルドハイブリッドを順次、ストロング方式に代替していくはずです。それだけでも、ユーザーは何もせずに、20%の燃費が向上することになります。まずは、燃費向上を喜びましょう。
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。
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