日本ではできない「タクシーのように列車に乗る」とは!? イギリス最北路線の旅がいろいろ“異文化”だった件〈後編〉

イギリス最北の駅を列車で訪れようとしたら運休となってしまい、手段は代行バスとなってしまいました。気を取り直して復路は、最北の駅から鉄道旅を楽しみます。また、この路線で特殊な乗降方法にチャレンジしました。

この記事の目次

・サーソー駅を探索 かつての栄華も夢の跡?
・サーソー駅とよく似た雰囲気のウィック駅
・事前申告に挙手! 「リクエストストップ」を体験
・今や端末が置かれIT化されたとのこと

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サーソー駅を探索 かつての栄華も夢の跡?

 日本から遠路はるばる、北緯58度のイギリス最北の駅サーソー(Thurso)を目指したものの、乗る予定の列車が運休となってしまい代行バスで到達するという、鉄道旅としては何か腑に落ちないモヤモヤ感が残りました。サーソーでは2日間滞在します。ちゃんと走ってほしいと願いながら翌日を迎えました。

 目抜き通りに面したホテルを出て、駅舎と同じように重厚な石積みの家屋が多いと気付きました。街歩きをしていると「茶色と灰色のあいだを取った色合いの家が多いな」と感じます。空模様はどんよりとした曇天で、それが相まって最果ての重々しさを感じさせました。

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サーソー駅へ到着する列車。島式ホーム1面だが左側は使用しておらず、右手の側線も赤錆びていた。双頭レールを使用している(2019年7月、吉永陽一撮影)。

 まずはサーソー駅を観察してみようと、列車を1本見送ることに。石積みの駅舎には島式ホームが1面続いていますが、使用しているのは1線のみ。もう1線は線路こそあるものの赤錆びており、ホームにも柵が設けられています。ホームの隣は機関車の機回し線を兼ねた側線が並び、列車2両分の部分に片分岐ポイントがあります。

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サーソー駅で折り返し作業をする。2両編成の列車なので長いホームは手持ち無沙汰である。片分岐ポイントは機回し線用かと思われる。駅舎一体型のホーム屋根は1両分の長さしかない(2019年7月、吉永陽一撮影)。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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