廃線を「自分で運転」してみた! “あの日のまま”の線路と列車で「は、速い!」「停まらない…!?」運転士が心底スゴいと思った件

やっぱすごいわ…鉄道の運転士

 この日は、幸いなことにその後も運転をする機会がありました。この頃には緊張も解け、本物の鉄道車両を運転しているという実感と感激をひしひしと受け止められるようになりました。指導を受けたこともあり、最後の復路では「階段払い(階段緩め)」と呼ばれる理想のブレーキ操作に少し(だけ)近づけたような気がしました。

 とはいえ上達へはまだまだ遠い道のり。実際に鉄道車両を運転する運転士の方々の苦労を思うとともに、その熟練された技がどれだけすごいのかを改めて感じました。

 プログラム終了後はホームに再び全員集合。指導運転士からの講評を受け、記念のクリアファイルや参加賞を受け取って解散です。終始アットホームで、和気藹々とした雰囲気が印象的でした。

「重連」も運転できます!

 本物の鉄道車両を往復1.8kmも運転できる喜びは思った以上に素晴らしい経験で、マスコンのノッチを1に入れて気動車が走り出した瞬間は、ほんとうに感激しました。クルマ好きなら、12.7リッターの巨大なディーゼルエンジンを動かせることにも感動できるかと思います。

 定期運転では、旧神岡鉱山前駅の構内検修線を往復するコース(1組1万2000円)、旧神岡鉱山前駅-旧飛騨神岡駅1200mの往復コース(1組2万5000円)などのほか、KM-101号+151号の重連運転、ガッタンゴーの開催が終了する秋以降に設定される単機・4000m(1組5万円)という夢のようなコースも用意されています。

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ホーム上にはレトロなフォントの駅名サインが。廃線前はデザインされた表示板だったので、新たに貼られたものと思われる(遠藤イヅル撮影)。

 また、定期運転が開催されない土曜日には、「オンデマンド運転」(1組1万円)での運転体験も実施されています。オンデマンド運転は1往復のみの運転で、ワゴンサービスはありませんが、ブレーキ操作の練習のために何度も運転区間内で停車できるほか、ファミリーでの参加などにも向いています。

 定期運転は各コースともに2024年内での開催が残っており、11月3日現在ではまだ空き枠もあるようです。ぜひ、ほんものの鉄道車両を運転する感激と感動を体験してみてください。

【了】

【懐かしい…けど超ムズイ!】「廃線を運転」する体験の一部始終を見る(写真33枚)

Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれの自動車・鉄道系イラストレーター/ライター。雑誌、WEB媒体で連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。クルマは商用車や実用車、鉄道ではナローゲージや貨物、通勤電車、路面電車、地方私鉄などを好む。

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