「日本一短い地下鉄」なぜ誕生? “ほぼ名鉄”でも市営地下鉄な1駅路線ができたワケ 幻の延伸計画も
ホントは「1区間だけ」じゃない!?
建設に際しては「地下高速鉄道整備事業費補助制度」を適用したため、味鋺~平安通間を上飯田連絡線とし、味鋺~上飯田間は名鉄小牧線の地下化と複線化工事を行い、新規建設区間の上飯田~平安通間でつなげたわけです。
この時に7号線は、味鋺~上飯田~平安通間だけでなく、新栄町を経由して丸田町を目指す「上飯田線」の計画に改められますが、現状では名古屋市が新規に地下鉄を建設することはないと明言しており、残る平安通~丸田町間の建設は未定です。
上飯田線の建設工事は難航しました。地上の道路が狭く、沿線は住宅密集地、さらに地下水も豊富だったのです。加えて工事中に阪神・淡路大震災が起こったことで耐震基準が改められ、構造物の設計がやり直しとなりました。2000(平成12)年には東海豪雨にも見舞われました。2003(平成15)年、開通へ漕ぎつけます。
上飯田連絡線は、上飯田連絡線株式会社が第三種事業者として味鋺~平安通間を保有し、味鋺~上飯田間を名古屋鉄道が、上飯田~平安通間を名古屋市交通局が、それぞれ第二種鉄道事業者として運営することになりました。
ただし運行上は名鉄小牧線と一体化しており、平安通発の最終と、上飯田発の始発以外は小牧線に直通します。小牧線に運行障害があった場合だけ、上飯田線内の折り返し運転が見られるようです。
筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2024年9月、上飯田線を利用しました。起点となる平安通駅は名城線の駅の下を直交しており、乗り換えは容易。エスカレーターやエレベーターも整備されています。
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