住宅街のビーチに「米軍が上陸してくる!?」 知られざる「沼津の激せま米軍基地」とは 住民は「なんかやってるな」

静岡県の沼津市に知る人ぞ知る訓練場があります。一見するとただの砂浜ですが、時折、自衛隊もしくはアメリカ軍が使用しています。ただ、実は隣接する神奈川県にもかつて同じような演習場がありました。

米軍基地なのに囲われていない!?

 東京からほど近い静岡県沼津市に、本州では唯一といえる常設の上陸(揚陸)専用訓練場があります。

 通称「今沢基地」と呼ばれるこの場所は、総延長約47kmある沼津海岸の一角で、正式名称は「FAC3154沼津海兵訓練場」です。名前からわかるとおり、管理者は在日米海兵隊となっています。

 なお「基地」と呼ばれていますが、海兵隊の施設やフェンスなどがあるわけではなく、普段は釣り人や散策する地元の人たちが自由に行き来できます。実際に足を運んでも、説明を受けなければ、どこからどこまでが敷地なのかわからないほどです。

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北海道の天塩訓練場に上陸する陸上自衛隊の水陸両用車AAV7(武若雅哉撮影)。

 このように、普段はひっそりとしている今沢基地ですが、その歴史は戦前にまでさかのぼります。元々は旧日本軍の訓練場でしたが、1945(昭和20)年8月の終戦後に連合軍が接収すると、1952(昭和27)年に海上部分を「陸軍訓練区域(乗下船及び積込積卸訓練区域)」、陸上部分を「沼津乗下船及び積込積卸訓練区域」として、それぞれ日米地位協定に基づき在日米軍へ提供することになったのです。

 その後、1957(昭和32)年には「米空軍水難救助訓練場」も設定され、1961(昭和36)年には「沼津海兵訓練場」へと名称を変更しています。

 こうした歴史がある今沢基地ですが、案外その経緯を知る人は少ないようで、地元住民も「今日はなにかやっている」程度の認識だったようです。

【戦車がズラーリ!】これが半世紀前の今沢海岸の姿です(写真)

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